『ハイパーホビー』の島本和彦先生インタビュー

ハイパーホビー』009特集は第6回って書いてあったかな。*111月号は島本和彦先生の直撃インタビューが載ってました。全2ページ。

HYPER HOBBY (ハイパーホビー) 2009年 11月号 [雑誌]

HYPER HOBBY (ハイパーホビー) 2009年 11月号 [雑誌]

石ノ森先生とのエピソードも興味をそそりますけど、【同業者】とも【関係者】とも【評論家】とも違う、完全なる1人の【愛読者(ファン)】として答えてらっしゃる部分に激しく同調します。読みながらテンションにつり込まれて「うんうんうん!」と頷きたくなる感じ。良いところもツッコミどころも含めて、島本先生がどれだけ『サイボーグ009』を読み込んでるか、石ノ森作品(の画風)に影響されたか、テンション高めの文面からビシビシ伝わってくるインタビューでした。回答してる様子がすごく楽しそうなんですよ。あ、いやこの人はいつでもこのテンションなのか!?
「好きなキャラはいますか?」という質問に、「(好きなキャラよりも)好きなコマ割りなら即答できる」*2みたいなことを言ってらしたのが面白かったです。これは漫画家っぽい意見だ。『神々との闘い編』にお気に入りのコマ割りがたくさんあるそうで、一見無意味そうな同じことの繰り返しのコマとか、画面の90%が背景でキャラがものすごく小さく描かれているみたいなコマの”間”の表現について、「スゲーー!!」とかほとんど感嘆符で熱く語ってらっしゃいます。雪山の場面は私も好きだなぁ。009と004がヒマラヤみたいな雪山を登ってて(画面のほとんどが雪で2人は小さくぽつんと描かれている)、009が崖際で大きな獣(狒々?)を追い詰めて捕まえるんだけど、捕まえた途端に獣の皮から女性がつるっと抜け出して、そのまま谷底へ落ちていくんです。この間セリフも擬音も一切なくて、絵のみで淡々と進みます。谷に吸い込まれてどんどん小さくなっていく女性の姿が3コマくらいを使って描かれていて、その時間がなんともたまらない。そんな面妖な場面で009の「あっ!?」ていう顔と、彼女が落ちたあとを呆然と見下ろしてる様子だけに妙に現実感が残ってるのもたまらない。不思議。それよりこの場面は一体どういう意味なんだろう?なんで009と004は雪山を登ってたんだ?あのでかいサルはなんだ?なんで中から女性が出てきたの?何かの象徴?これはサイコトラベルの世界なの?伝説?神話?…ああ、こうして無意味に考えるのもなんか楽しい…。
とりあえず、『スカルマン』は石ノ森版+島本版も読まなきゃならないなぁ。

*1:うち4回くらいは読んでません…。

*2:ちなみに、好きなキャラは002、004、スカールだそうです。