【歌舞伎】家は末代、人は一世

国立劇場の12月公演の歌舞伎を見てきました。また招待券です。
あらかじめプログラムを買って予習しておくとストーリーがより飲み込めるので良いですね〜。
さて今月の演目は「頼朝の死」「一休禅師」「修禅寺物語
華と笑いのあった先月とは打って変わって、悲劇を演じる役者さんの"凄み"を見た舞台でした。
「頼朝の死」と「修禅寺物語」は、源頼家絡みの史実に材を求めた時代ものです。
前者で頼家の非業の死を予感させておいて、後者でそれを描くっていう風に繋げてるのね。
両方とも、登場人物たちの心情を思うと壮絶な話だった…。人の業やら運命の遣りきれなさやら。
この2つが重い話だったので、間の「一休禅師」は息抜き的な心のオアシスでした。
一休さん地獄太夫(この人も実在した人らしい)の禅問答があって、あとは舞踊メイン。
これはもう、禿役の渡邊愛子ちゃんが本当に可愛かった!ちっちゃ可愛い!
一休さん&地獄太夫とせり上がりで登場して花道から退場するまで、何かするたびに客席が和やかな笑いでいっぱいに…(*´ω`*)
一休さん役の富十郎さんのご長女だそうな。女の子が歌舞伎の舞台に上ることもあるんだなぁ。
相撲の土俵と違って宗教的な理由がある訳ではないから*1オーケーなんでしょうか?
しかし禿が愛らしくちょこちょことんとん舞ったあとに地獄太夫を見ると本当に格好良いですね。すらっとしていて!
打掛の絵柄も奇抜で格好良かった。黒地に炎と髑髏とは凄い…!


国立劇場の売り場でこんなものを買ってみました。

歌舞伎の事典―演目ガイド181選

歌舞伎の事典―演目ガイド181選

代表的な演目をフルカラーの舞台写真で紹介した本。眺めているだけでも楽しいです。
「暫」とか「鏡獅子」とか見てみたい。「助六」も「勧進帳」も・・・ああ!

*1:歌舞伎の原型になった”かぶき踊り”が興った頃はむしろ女性中心に行われたようですけども(始祖の出雲阿国が女性ですし)、彼女達が遊女の役割もしていたことから「風紀を乱す」として幕府に禁止されてしまい、それ以降は”若衆歌舞伎”〜”野郎歌舞伎”と男の世界で発展していったそうです。一方、相撲の土俵に女性が上がれないのは宗教的な理由。土俵には女神様が宿るとされているのですが、この女神様は嫉妬深くて、女性が上がると嫉妬なされるのです。だから土俵に上がれるのは男性だけ。信仰の山などに女人禁制の場所が多いのも同じ理由からです。山に宿るのも女神様とされていて、やはり女性に嫉妬なさるのだと言われています。