[[島本作品(感想)]『新吼えろペン』1〜2集 感想

そして、熱血マンガ家伝説は新章へ!
『吼えろ』を読み終えてから本屋にダッシュして一気に買ってきました。いやもう面白さが常に一定水準以上で安定感バリバリ。業界裏事情暴露的な意味でネタは幾分大人っぽくなってるけど、前作からテンションも落ちてない!1・2巻だけ見ても脇を固めるキャラクターがまた一段と濃くなってますねこれ。まず新担当の名前「キックミー他島」って!しかもなかなか有能で前の赤森さんが思い切り霞んでました。新アシ候補のマルピー、雄叫飛号、ぱみぱ、ピアスも名前からして主張しているし!(え、ジョニー?誰それ?) ヤス、大哲、萌、ボタQ編集長、仮面デスク、富士鷹ジュビロ先生ら前作からのキャラも健在で・・・とにかく、面白いです!
という訳で――『新 吼えろペン』全巻読破しました。(いきなり) 1冊ずつ感想も上げていこうと思いますー。


新吼えろペン 1 (サンデーGXコミックス)

新吼えろペン 1 (サンデーGXコミックス)

炎尾先生の過去作が実写映画化される話と、炎プロで新アシスタントを募集する話。1話目からいきなり映画化のエピソードとは、本当に普通に『吼えろペン』の続きとしてのスタートなんだなぁ。映画は炎尾先生の土俵ではないせいか、新シリーズの始めにしてはちょっとパワーセーブ気味な印象もございますが。
この話は言うまでもなく、島本先生の『逆境ナイン』の実写映画化(2005年)が元ネタですよね。*1登場する監督や役者のキャラクターも現実のキャストをもじっています。「フィクションです!」と釘を刺してはいるけど、島本先生が実際に現場で体験されたこともきっと少なからず反映されているはず!事実「あとがきまんが」で実体験のひとつをマンガにしたことが描かれているし・・・某大御所俳優がシナリオ無視したセリフを言ったけれどもあまりの迫力にスタッフ一同平伏したっていうエピソードとか、いかにもありそうじゃないですか?某大御所さんは声優界でいう若本御大のような存在なのかしらんと思うと何かしっくりきました。なんか納得させられてしまう説得力(パワー?)というか。「原作者だから」という理由で無難な役どころで作品に出演するハメにって話も生々しいですねぇ。いつか『銀魂』で声をヒクつかせながら声優を務めた空知先生のことを思い出します・・・。というか早く原作の『逆境ナイン』読まなきゃな!


新吼えろペン 2 (サンデーGXコミックス)

新吼えろペン 2 (サンデーGXコミックス)

引き続き新アシスタント候補登場話と、マンガのキャラは生きている話と、読者の意見の話。最後の第8話、「島本先生なにか嫌ことでもあったの?」と穿った見方をしてしまうのですが!確かにあの担当は駄目だよなぁ、担当はマンガ家にやる気を出させなきゃいけないのに。作者にあんな益無いもの渡して何がしたいのか分からないし。アドバイスの形でネームに修正かけさせればいいものを、そりゃあ炎尾先生も聞く耳持たなくなるよ!しかしただでは転ばないのが我らが炎尾先生です。「無駄な見開きを使うな」とダメ出しされたそばから見開きでテーブル返し!しかも4ページに亘り!このふざけっぷり!
でも、誰の意見にも一理はあるんですね。作者の意思で描き進めるのが重要ですけど、読者あってのマンガでもあります。読者の意見に流されてはいけない、でも読者の意見は小学生でも大切にしなくてはいけない。かっきり割り切れる答えは出せないのが世の常でしょうか。それにしても冒頭の炎尾先生の発言がいつになく挑発的でヒヤヒヤしたぜ・・・!サブタイトルの「挑発」って、炎尾先生が読者に対してってことだったのか。

*1:劇場版『逆境ナイン』はテレビでCMを観たし存在は知ってたけど、誰が出てるのか等は全く知りませんでした。●山鉄二とか堀●真希とか藤●弘、とか私でも名前を知ってるようなしっかりした役者さん達が揃ってたんですね!!