『新吼えろペン』7〜8集 感想

新吼えろペン 7 (サンデーGXコミックス)

新吼えろペン 7 (サンデーGXコミックス)

キックミーのクリスマスの話と、お札を刷る話と、編集部の異動の話と、星紅の仮面の真実の話。
全部のエピソードが生々しかったです。王女の話は流石に突飛であるにしても金の亡者的な意味でいやらしかった(笑)し、他のエピソードも「誰かの実話?」みたいなリアリティが…。恋愛には人生がかかってるのかもしれないけど仕事には生活がかかってるんだから、我慢してあげようよキックミーの彼女。12月24日が何だってのさ、何てことない普通の日じゃん、と思ってしまう自分が駄目なのかもしれませんが敢えて言っておく。1年に1回の特別な日と毎日の仕事、どちらがより大切かは人それぞれですが、その辺りの齟齬が原因であらゆるものを犠牲にしてしまったというのが仮面編集・星紅さん。あれはキレて当然だよな・・・!TVのドッキリってタレントは仕事と割り切っているのかもしれないけど、どうしても悪趣味にしか思えなくて好きじゃないです。あとは異動のせいで編集者が温めていた金の卵(将来有望なの新人マンガ家)が外部に放流されてしまうという話・・・112ページのバックに「排出しちゃったでありますぅぅーっ」とか言ってるカエル宇宙人みたいなのが描かれてるんだけど、あの作品ってそうだったんですか?このネタも結構危ない匂いがしますね!このスレスレ感も楽屋裏の醍醐味!今日もどこかの編集部で様々な駆け引きが行われているのかと思うと・・・なんてシビアな世界なんでしょう。


新吼えろペン 8 (サンデーGXコミックス)

新吼えろペン 8 (サンデーGXコミックス)

マンガ家パブの話と、夢マシーンの話と、ふろしきを畳みきれない話。この巻好きです。
"マンガ家パブ"の発想がすごく面白いと思う。マンガ家のそっくりさんを探して出すのではなく作品等のイメージからマンガ家のキャラを作るというこの思い切った戦法!第3者がイメージでなりきるのだから、パブのマンガ家が客(読者)のイメージ通りなのも当然という訳だ。炎尾先生のキャラはひどすぎるけど(笑) でも「言い分けさせたら日本一」は確かに言えてるなぁ。プラス「立ち直りの早さは日本一」ですね。グラスハートにどんどん磨きがかかってるけど立ち直りだけは早いから大丈夫!それに、炎尾先生よりカッコいいマンガ家なんていないですよ。心配する必要は無い!それから「陸野地下」ってたぶん羽海野チカ先生のもじりだよなぁ・・・と思ってたら巻末の余白ページにものすごい逆毛のウミノグマが友情出演してました。
富士鷹ジュビロ先生が出てくるとワクワクします!これまで殆ど超人みたいな描かれ方だったけど1人のマンガ家として人並みに苦悩したりするんでだなぁ(失礼) 炎尾先生とも同業者として語り合っている姿にしみじみと感じるものがありました。しかし最も興味をひかれたのは流れ星超一郎先生のなんか凄い名作論と読者への挑発的な発言!あれがマンガ家の本音なんだろうかと思うと面白いような悔しいような不思議な気持ち。ああでも結局納得してしまいそう。ああいう考え方、アリかナシかといったらアリなんでしょうね。ところで一連のセリフを読んでいたらWJで連載中の某死神マンガを何となく思い出したんですが・・・他意はありません。本誌読んでないから分からないけど今どうなってるのかなぁアレ。