『宵山万華鏡』

宵山万華鏡

宵山万華鏡

そういえば買ってなかったなァと先日購入。京都祇園祭宵山で起こった奇怪な複数の物語。底辺に不気味さが漂うけど森見作品独特の滑稽味もあって、読めば宵山のキラキラした風景がありありと見えてきます。本当はまだ読んでる途中なんですけどあとは最終章の「宵山万華鏡」を読めばおしまい。全ての章が同じ芯を持つ並行した物語で、読み進めていくと"あのシーン"と"このシーン"が頭の中でどんどん繋がっていくのが面白い。パズルのピース(物語)がぱちぱち嵌まっていって徐々に1枚の絵が見えてくる感じ。芯はひとつなんだけど登場人物の視点ごとに全く違った世界が広がっていて、それこそ万華鏡みたいな世界観でした。本の装丁も綺麗。『夜は短し歩けよ乙女』の世界ともキーワードでリンクしてますね。ということは『四畳半神話大系』の世界とも繋がっていることになるし、この宵山の何処かを浴衣の天狗や鯨飲の美女や黒髪の乙女も闊歩しているということでしょうか。わくわくするなぁ。何処かのお祭りに行きたくなりました。金魚の風船を買って、から揚げと林檎飴を食べたい!